皆さまには、平素より清水銀行ならびにグループ各社をお引き立ていただき、誠にありがとうございます。
当期中におけるわが国経済は、海外経済の減速等の影響により、企業の生産活動や輸出入が減少するなど、一部に弱さがみられましたが、感染症対策としての行動制限が緩和されるなかで、経済活動の正常化やインバウンド需要の回復により、個人消費や企業の設備投資は、緩やかに持ち直しました。
地域経済に目を向けますと、中長期的に人口減少や少子高齢化が見込まれることに加え、感染症対策と経済活動の両立、デジタル化の進展への対応、脱炭素社会の構築など、さまざまな変化に直面しており、お客さまの課題も多様化・高度化しております。こうした変化の激しい時代において、当行の社会における存在意義を改めて見つめなおし、当行が地域社会に存在している「意義」、未来に向けての「志」をパーパスとして明文化しました。
パーパス「地域を愛し、お客さまの未来をともに考え、共創します」には、静岡県を主要営業基盤とする当行が、お客さまの過去から現在までをよく知ったうえで、一緒になってお客さまのサステナブルな未来を考え抜き、地域・お客さまの未来をともに創っていくという思いを込めております。
2023年4月より、第28次中期経営計画「SHINKA~絆をつむぐ~」をスタートさせました。本計画は、100周年に向けた2ndフェーズとして、1stフェーズで底上げを図ってきた収益基盤の維持・拡大を図っていく重要な期間と位置付けました。「SHINKA」には、「進化」「深化」「真価」の3つの意味を持たせ、第27次中期経営計画でZENSHINしたさまざまな施策をさらに進め、深めるとともに、新たな施策を推し進めることで真の価値を発揮・提供していくという思いを込めております。
基本方針は「ソリューション営業の高度化」「人的資本の充実」「サステナビリティ経営の実践」としました。「ソリューション営業の高度化」については、ファイナンスの高度化やDXの進展によるサービスの多様化等の施策を進めていくことにより、ソリューション営業の量的拡大・質的向上を図り、お客さまのニーズ・課題への対応力を強化してまいります。「人的資本の充実」については、人財を「コスト」や「資源」ではなく「成長の源泉となる資本」と捉え、投資を加速することで、人財の力を最大限に引き出し、従業員エンゲージメント・ウェルビーイングの向上につなげてまいります。また、これにより、「当行に対するお客さまのエンゲージメント」「お客さま自身のウェルビーイング」が向上し、当行の企業価値向上につながる好循環を生み出してまいります。「サステナビリティ経営の実践」については、DXによる業務効率化やアライアンス戦略の加速等を通じて、当行が永年培ってきた経営基盤をさらに強化し、地域の「環境」「社会」「経済」の持続的な発展に寄与することで、持続可能な社会の実現を目指してまいります。
当行は、これまでも多くのステークホルダーの皆さまに支えていただき、静岡の地で発展を続けてまいりました。世の中が大きく変化するなかでも、パーパスを全従業員が実践するとともに、第28次中期経営計画で掲げた施策を展開していくことで、ステークホルダーの皆さまとの絆をさらにきめ細やかにつむぎ深めてまいります。皆さまにおかれましては、今後とも倍旧のご支援、ご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。